絵譜の有用性について考える（２）－絵譜を用いた幼児への楽器指導・歌唱指導実践からー

臼井奈緒

日本音楽教育学会第47回大会

日本音楽教育学会

昨年度の本学会での発表において，音楽を指導する立場となる保育者志望の学生が絵譜を作成する経験をとおして，基礎的音楽能力の育成，歌詞の内容や曲想に対する理解の深まりや表現の創意工夫，子どもの視点に立った選曲の基準・目安の獲得，オリジナルの教材作り（創作活動）による集中力，想像力，創造力の発揮等の兆候や成果が得られたことを確認した。本発表ではその継続研究として，①幼稚園児への絵譜を用いた手作り楽器の演奏指導と，②未就園児親子への絵譜を用いた歌唱指導の二つの実践を行い，指導を受ける立場である子どもたちの反応や，音楽活動の過程を観察する。絵譜を用いることで音楽活動に能動性が見られるか，また，音楽活動が円滑に進められるかという点に着目し，検証するとともに，絵譜そのものの質的向上につながる改善点や有用性についても検討する。