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Basic information
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| Name | SOHMA Shinichi |
| Belonging department | |
| Occupation name | |
| researchmap researcher code | 1000211933 |
| researchmap agency | Bukkyo University |
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本稿は、篠原助市のコメニウス評価をもとに、彼の形式的陶冶優位という主張の教育思想史的な妥当性を検討した。篠原は、実質的陶冶から形式的陶冶へという思想史的図式の提示にあたってコメニウスを実質的陶冶論者の典型に位置づけた。しかし、そこには複数の手続き的問題があった。篠原は、『理論的教育学』その他でデルプフェルトの『教授上の唯物主義』を引いたが、その引用は不正確で著者の意図からも逸れたものであり、コメニウス評価にも少なくない誤りがあった。篠原の思想史的図式の主たる論拠のひとつは無効といえる。この背景には、理念的抽象を主軸とした彼の教育学的方法論に起因する思想史的図式の先行があったと見なされる。この事例は、教育思想史研究という知的実践への示唆をもたらすとともに、陶冶論の思想史のさらなる再考という課題に私たちを誘う。