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Basic information
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| Name | TANAKA Hironori |
| Belonging department | |
| Occupation name | |
| researchmap researcher code | R000020908 |
| researchmap agency | Bukkyo University |
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本稿は、チベットのポカン寺に梵文写本として伝わる『三啓集』(Tridaṇḍamālā)所収の第10三啓経について、梵文テクストを校訂し、和訳と訳注を提示するものである。『三啓集』は、〔根本〕説一切有部の阿含経典をアシュヴァゴーシャ(馬鳴)作品に由来すると考えられる偈によって前後から挟む読誦文献であり、第10三啓経は、とりわけ財施(dravyadāna, āmiṣadāna)に対する法施(dharmadāna)の優位を主題とする。第10三啓経は、第1ダンダの三帰依偈・アシュヴァゴーシャ作品偈等、第2ダンダの〔根本〕有部『増一阿含』に由来すると考えられる経典、第3ダンダの『雑阿含』第92経の偈およびアシュヴァゴーシャ作品偈等から構成される。第1ダンダでは、財施の果が欲界に限定され財物は施せば減少するのに対し、法施には欲界を超えた果があり、説けば説くほど法が広がることなどを根拠として法施の優位が説かれる。さらに本稿は、第1ダンダの偈と『大智度論』との対応や、第3ダンダに配置された『雑阿含』第92経の偈の機能などを検討し、各偈が第2ダンダの阿含経典を補足・解釈し、法施の意義を明確化するよう意図的に配置された可能性を指摘する。これにより、第10三啓経の全体構造と思想内容を明らかにするとともに、新出梵文資料としてその全文を学界に提供するものである。