比丘が定めた規定の行方―ウパセーナの因縁物語と律蔵の諸問題―
日本印度学仏教学会第53回学術大会(ソウル・東国大学校)
律に規定される教団法は,すべてブッダが定めたというのが律蔵の基本的な立場であるが,中には比丘たちが自ら規定を作ったというケースが存在する.それらの中で,特に注目すべき事例として「ウパセーナの因縁物語」を取りあげ、「学処規定はすべて佛説である」という原則から逸脱した事例の持つ意味を検討し、このような事例が初期仏教教団の実状を知る上で重要な資料となることを明らかにした。