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基本情報
本稿の目的は、比較社会学の観点から学校教育制度を類型化し、各類型の特徴を叙述することにある。いじめ問題への対処の仕方においても、あるいはそれ以外の様々な問題への対処の仕方においても、学校教育制度の類型によって差異が存在する。ここでは意思決定の主体が学校現場に遠いか近いかによって、①中央集権主義、②地域主権主義、③学校主権主義に分類する。中央集権主義においては、教育を所管する中央省庁の統制により学校間格差は抑制されるが、ともすれば画一的になりがちである。地域主権主義では、教育を所管する教育委員会等の統制により地域内では学校間格差は抑制されるが、地域間では格差が大きくなりがちである。しかし、逆に言えば、地域内では画一的になりがちであるものの、地域間では多様化する傾向がみられる。学校主権主義では、学校現場に意思決定の大きな権限が与えられるために、学校が多様化し、学校間格差も極大化する傾向がみられる。 |