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基本情報
精神保健福祉援助実習指導は、少人数のゼミ形式の良さと、同世代による相互学習の限界とを併せ持つ。ソーシャルワーカーになる道筋や過程は“個別性が高く、学生の歩むリズムやテンポは一人ひとり異なる。精神障がい者や家族が直面している生活問題は、格差と貧困の拡大の中で社会的孤立や排除の状況を生み、複雑かつ重層的に絡み合っている。現場実習では、精神障がいに対する偏見や差別の問題の根深さに、学生自身が憤りを感じたり、無力感を感じたりする。学生は自らの内面と向き合わざるを得なくなり、精神障がい当事者を取り巻く社会的障壁という現実にジレンマを感じ、改めて社会福祉の思想やソーシャルワークの価値との対峙を経験する。また、多様な生活の有り様や生き方を受容する経験を経て、ソーシャルワーク実践には答えがないことに気づき、その不確実性に耐えることになる。その時の当事者とのかかわりやPSWとの対話によって、再び学生の主体性や問題意識が形成されていく。 |