新型コロナウイルス感染症の影響下にある期間、日本、韓国、スウェーデン、タンザニアの4か国で、子どもの権利条約(CRC)にある10の条文に掲げられた権利の現状とそれを改善し前に進めるための政策提言への子どもたち自身による話し合い(グローバル子どもの権利対話=GCRD)を実施した。この取り組みは、子どもたち自らが主体的に参加して問題の解決を図るという、日本ではまだ一般化していないResearch with children (リサーチ・ウイズ・チルドレン=子どもたちとともに進める研究) の実践である。
今回、これらの取り組みの中から、国内で実施されたGCRDを取り上げた。子どもたちがGCRDを通じて示した、自らの権利を前に進めるための子どもたち自身による具体的な政策提言を10の条文それぞれについて概説し、さらにCRCの4原則に照らして政策を分類し直した。子どもたちの政策提言の数は、差別の禁止42、最善の利益89、生きて育つ権利99、意見表明33であった。それら提言において頻出する言葉を、テキストマイニングを用いて分析し、特に提言の中で重要と思われる言葉を拾い上げることで、さらに質的な検討と考察を加えた。
子どもたちの政策提言には、大人では思いつくことができないような提案が含まれており、身近な学校や地域の枠内だけではなく、国全体さらに世界を視野に入れた提言も含まれていた。そうした子どもの声に耳を傾け、彼らの提案を受け入れた政策の実現によって、子どもたちの未来はより良く変えることができると確信した。