社会小児科学は,「子どもの健康に対するグローバルで全人的かつ学際的なアプローチで,健康と生活の質をケアし予防し促進するのと同じように,子どもの健康と成長発達における身体的,精神的,社会的な側面を統合して,社会,環境,学校,家族の中で子どもの健康を考える」学問である.この考え方に基づき,新型コロナウイルス感染症(=COVID-19)下でより明確となった子どもたちと子育て家族の困難を,政府統計資料から推測してみた.私はそれらを「COVID-19 により明らかとなった社会小児科学の 6 つの課題」とし,その上流にある社会のあり方を考えてみた.