黒谷本「一枚起請文」と法然の「花押」
坪井剛
法然が亡くなる2日前に記し、弟子の源智に与えたとされる黒谷本「一枚起請文」について、改めて考察したもの。黒谷本「一枚起請文」に据えられる「花押」の形式が一般に「法然花押」と考えられていたものであること、「法然擬書」が流布するにつれて黒谷本形式の「法然花押」が据えられた法然遺文が流布するようになったこと、黒谷本「一枚起請文」は二重・三重の真正性確保がなされており源智への附法という意味が込められていた可能性があることなどを指摘した。
浄土宗学研究
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