「EUの公共サービス概念を巡る政治的対立の布置状況 ―域内市場サービス指令案における『原産国原則』適用の是非を通じて―」

単著。
政策過程の観点から、EUというヨーロッパワイドでの政治と各EU加盟の国内政治とが複雑ながらも融合して連動している様を捉えた。EU域内で公共サービスの自由化が企図された指令案の政策過程分析を行い、比較政治学的に各加盟国内の「政党システム」で中道左右に位置づけられる各政党が、他の加盟国の政党システムでの中道左右政党と綺麗に左右それぞれが一致しつつ、それがそのままEUレベルでの中道左右の唱導連携による選好として投射されるのかどうかにつき検証を試みたが、そうではない「ねじれ現象」を孕んだEUの政治的布置状況を具体的に析出してみせている。

日本EU学会年報 第27号 『欧州統合の課題と行方』

有斐閣