肖像の写実性と理想化をめぐって―鎌倉肖像彫刻を中心に
日本学術振興会
科学研究費助成事業 基盤研究(C)
根立 研介稲本 泰生深谷 訓子福士 雄也筒井 忠仁苫名 悠
基盤研究(C)
https://kaken.nii.ac.jp/file/KAKENHI-PROJECT-16K02265/16K02265seika.pdf
肖像については、その出来映えの良否や製作時期の問題が、しばしば写実性の立場から論じられてきた。しかしながら、肖像には実は絶えず理想化の問題がまとわり付いており、理想化の問題を無視して肖像を語るわけにはいかない。また、肖像は、権威の誇示や像主の顕彰、受容者の意向といった機能の側面からも評価する必要もある。本研究は、上記の問題点を踏まえ、写実的とされる作例が数多く造られた鎌倉時代の肖像彫刻を主たる研究対象として、肖像、特に肖像彫刻研究の再評価を行い、研究成果を報告書に取りまとめ公表した。