社会サービスの市場化は利他主義の価値を押し出すのか:ティトマスの市場化観とアローの反論が示唆するもの
朴光駿
この論文は、ティトマスの血液供給システムに関する国際比較研究,『贈与関係』(The Gift Relationship,1970)の内容に基づき、社会サービスの市場化に対するティトマスの思想を明らかにし、この著作に対するアロー(Kenneth Arrow,1972)の批判内容を紹介する。ティトマスに対するアローの反論,そして学問的背景を異にするこの二人が展開する哲学的論議の内容とその違いを明らかにし,またその示唆を検討することを研究目的としている。
佛教大学総合研究所共同研究成果報告論文集
第14号