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基本情報
二十世紀英国文壇を代表するアングロ・アイリッシュの作家エリザベス・ボウエンは、幻想的な短篇の名手であり、リアリズムよりもファンタジーや超自然に触れる短篇約百篇を残している。二十世紀初頭に英国で、映画と並んで新しい「芸術ジャンル」として勃興した短篇は、ボウエンにとっては自分の世界を、もっともストレートに表現できる手段であった。そのボウエンの創作の秘密を十二人の論者がボウエンを多面的に解き明かしている。 本人担当箇所は「『フェイバー版現代短篇集』をめぐって——ボウエンとT. S. エリオット」で、エリザベス・ボウエンはT. S. エリオットから『フェイバー版現代短篇集』の編集を依頼されるが、この短篇集が完成するまでのボウエンとエリオットとの間でのやり取りを明らかにしている(91-113頁)。 |