(コラム)略奪と文化財保護
大西磨希子
20世紀初頭、いわゆるシルクロードの舞台であり、かつ考古学的宝庫でもあった中央アジアに、各国からの探検隊が陸続と押し寄せ調査を行った。彼らはいずれも現地で発見した遺物を、探検における目覚しい成果として大量に自国へと持ち帰った。こうして数多くの貴重な遺産が、永遠にその故地を離れることになった。本コラムでは、そうした各国探検隊によるシルクロード遺物の獲得の経緯、またその功罪について概略する。
奈良康明、石井公成編『新アジア仏教史05 中央アジア 文明・文化の交差点』
佼成出版社