武則天期の仏教美術――日本伝来の勧修寺繍仏をめぐって――
大西磨希子
「奈良国立博物館所蔵 刺繍釈迦如来説法図の主題 ―則天武后期の仏教美術―」をもとに、一部を修正し、内容を簡略にまとめ直したもの。勧修に伝来した本繡仏は、図様に合致する経典が見当たらず、主題の特定が困難とされてきた。しかし、これは本図が特定の経意を表現した経変画ではないためことに由来し、武則天の統治下で制作された、きわめて政治性の強い図であったことを論じた。
人文学研究の諸相:佛教大学・中国社会科学院文学研究所国際シンポジウム論集
佛教大学研究推進部