鎌倉期における専修念仏教団の形成と展開
坪井 剛
鎌倉期を通じた専修念仏教団の形成過程について、これまでは専修念仏側の思想的妥協によるものと理解されてきたが、僧侶集団としての形成過程として考察した場合、その拠点となる寺院を如何に形成したかという点が重要であることを指摘した。具体的には、外護者との関係によって形成される寺院、天台教団の別所周辺に形成される寺院、祖師信仰の拠点として形成される寺院があることを指摘し、これらについて幾つか寺院を事例として説明を試みた。
史林
史学研究会
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