「昭和初期日本の仏教ブーム」
現代日本の「仏教ブーム」と昭和初期の「仏教復興」を比較検討し、両者の共通点と違いを摘出したのが、本論である。 現代の仏教ブームも昭和初期のそれもジャーナリズム主導であること、仏教ブームの背景には社会不安が慢性化しており、その精神的な拠り所として、仏教が求められたこと、しかし、現代の仏教ブームでは昭和初期に強調されていた「仏教の社会性」が語られていないことを明らかにし、仏教ブームとは危機の時代の社会現象であることを指摘した。
『現代宗教2005』(東京堂出版)