「近代化のもとでの日常――19世紀後半イギリスの官僚生活史」
キーワード:イギリス 官僚 日常生活史 メリトクラシー 本稿では、官僚たちの「語り」に耳を傾けることで、官僚制度を支えた人材が何を思い、どのような日常を送ったのかを確認した。近代社会特有の文化的性格、つまり効率性や合理化、競争精神といったメリトクラシー的な価値観を反映した近代官僚制度は、日常的にそれに対応した官僚たちの献身という歯車によってはじめて、機能を保持することができる支配装置だったのである。
小澤弘明(他編)『つながりと権力の世界史』(彩流社)