我が国では2025年に認知症者が700万人に達するとされる中、厚生労働省は「認知症施策推進総合戦略(新オレンジプラン)」を策定した。プランでは、初期対応において認知症初期集中支援チームの活用が示されているが、人員不足等を背景に広く利用可能な状態には至っていない。また総合的医療(プライマリ・ケア)を担うかかりつけ医による療養指導も位置付けられているが、対応力に課題があるのが現状である。
そこで本研究では、かかりつけ医による認知症療養指導の課題を明らかにした上で、プライマリ・ケアにおけるICTを活用した認知症初期対応プログラムを開発し、実装・評価までを行う。
認知症者およびその家族が認知症診断後に適切な支援がうけられれば、認知症の進行を遅延させることができ、認知症者自身の困惑の緩和や、家族の介護負担感軽減により、認知症ケアの質改善が期待できる。