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基本情報
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| 氏名 | 劉 赫洋 |
| 氏名(カナ) | リュウ カクヨウ |
| 氏名(英語) | LIU Heyang |
| 所属 | 【教員用】 通学課程 文学部 |
| 職名 | 特別任用教員 |
| researchmap研究者コード | R000055857 |
| researchmap機関 | 佛教大学 |
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本研究は、現代中国語における「脏」と「污」の多義構造を、辞書分析・コーパス調査・社会文化的考察を通じて体系的に解明した。両語は「不潔さ」を中核としつつも、意味拡張の方向性に顕著な差異が認められる。「脏」は身体的・即物的汚れを基盤に、空間配置の不適切性(脏物)や審美的無秩序(脏辫)、さらには道徳的堕落(脏手)へと主観的評価を広げる。一方「污」は、物理的汚染(污水)から抽象的な社会的瑕疵(污名)へ階層的に意味を深化させ、現代ではインターネットスラングとして「性的タブー」(污段子)を婉曲化する形容詞用法を獲得している。コーパス分析からは、「脏」が日常的・身体的な文脈で造語能力に優れるのに対し、「污」は制度的・公的議論に偏る傾向が明らかとなった。さらに、両語の用法は中国社会の規範意識、民間信仰、デジタル世代の価値変容を反映する。