本研究の成果は次の3段階で進められた。まず、(1)豊富な近世・近代の古地図を所有するカリフォルニア大学バークリー校に所蔵された旧三井文庫古地図コレクションの調査・整理を実施した。次に、(2)同コレクションを基盤資料とし、京都・江戸・大坂の都市・時代間の特徴と差異をGISによる比較分析を行い、近世・近代の絵図に描かれた都市の構図の変化と類型の解明を進めた。最後に、(3)ここまでの成果を踏まえて、歴史GIS研究の立場から地図史・系譜分類におけるGISデータベースを活用した都市の構図を把握する手法と系譜を提起した。