J・D・サリンジャーの作品における語りについて
J・D・サリンジャーの前期の作品から後期の作品にかけて、その文体が変化していることを明らかにしている。さらに、その変化は、彼が、自らの作品において、その重心を文学的価値の追求から自らの宗教的メッセージの伝達にシフトさせた結果であり、そのために彼の作品の芸術的価値が大きく損なわれてしまったことを論証している。
日本文体論学会『文体論研究』
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