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Basic information
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| Name | ONISHI Makiko |
| Belonging department | |
| Occupation name | |
| researchmap researcher code | 5000092698 |
| researchmap agency | Bukkyo University |
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敦煌寫本S.2658、S.6502の『大雲經疏』は首尾を缺き原題は不明であるが、永超の『東域傳燈目錄』に著錄される「大雲經神皇授記義疏一卷」と同一テキストと考えられている。この『大雲經疏』に「經曰」として引用される經文とは、まさに武周革命に利用された『大雲經』にほかならない。この『大雲經』について、今日では傳存する曇無讖譯『大方等無想經』六卷とみなすことが通說となっている。すると、武周革命に用いられたのは、この讖譯ということになる。しかしながら、讖譯は六卷本であるが、史書によれば、この時に用いられた『大雲經』は四卷であり、卷數が異なっている。また、『大雲經疏』所引の經文を讖譯と對照すると、抄出が多いだけでなく、經文の前後關係が大きく錯綜するという、きわめて不自然な狀況が見出せる。
そこで本報告では、歷代經錄における『大雲經』の入藏記錄の變化に着目し、武周革命に用いられた『大雲經』は竺佛念譯を四卷本に短く編集し直したものであったこと、さらに革命後に編纂された『大周刊定衆經目錄』では意圖的に譯者が曇無讖にすり替えられたのではないかとの試論を提示する。